トップページ > 茶舗 牧ノ原のお茶葛餅(くずもち)が誕生するまで
お茶葛餅(くずもち)が誕生するまで

接待の手土産セレクションにて受賞をいただいた「お茶専門店のお茶くずもち」の誕生は、一人の飛び込みでやってきた、おじさんから始まります
どう見てもダンディで仕事が出来そうからは、およそかけ離れたような
気の弱いエビス様のような体型の60代のおじさんが ご来店になりました
「ぁの~~ 突然ですみません 私共は○○で和菓子の製造メーカーでござぃます
こちらのお茶屋さんはとても綺麗で、活気があり商品を大事にされておりますね~」
と、やってきたのです。この時、ちょうど私が店頭におりました
「あの 何か?」
「いや、なに。こんなステキなお茶屋さんで 和菓子を何かを置いて頂けないかと思いまして~~」

必死のお褒めがとてもおかしくて、思わず
「では お話し伺います、二階へどうぞ(^^)」となりました
事務所には社長もおりまして一緒にお話しを伺いました
いきなり和菓子商品をどんどん出して「食べてみてください どうぞどうぞ」と
お話を聞くと、和菓子と言っても、どうやら葛(くず)を使う「くずもち」を得意としているようです
その中でお抹茶の葛餅がありました。試食すると
「くずの歯ごたえはいいのに、抹茶が餡の甘さで消されている」と感じました
他の色々なくずもちも 口に入れたとき葛のおいしさにムラがあるような感じでした
「どうですかね?」の問いに、私は正直に「この和菓子では何処にでもあるので当店では無理ですね・・・」とお答えしましたが
そうだ!!
この時、当店ではオリジナルで、お茶パウダーをソフトクリームにブレンドして販売していました

そこで・・・
抹茶・お煎茶パウダー・ほうじ茶パウダー・玄米茶パウダーを餡(あん)に混ぜ、オリジナルくずもちが出来ないかと、提案
「はい! もちろん出来ます!」となり、おじさんはニコニコ顔でお帰りになりました
ここからが、試作の始まりです
私は有名どころの葛餅を見て回り、お取り寄せをし、食べ比べてみました
「美味しいだけで、感激はないな・・・」
「どうして、みんなこんなに甘いんだろう」
「初めに口に入れるのは葛の部分、そこが柔らかすぎるのかな・・・」
などなど
そして試作が仕上がり、送られてきた葛餅は
綺麗な葛の中に、抹茶餡(緑色)、煎茶餡(黄緑色)、ほうじ茶餡(茶色)、玄米茶餡(黄色)が、うつし出されてました
葛は吉野の本葛を使用してます
しかし、試食すると「甘すぎる・お茶の香りが弱い・・・」結局、これではダメ。作り直しです
再び届いた試作もまだダメでした
次は、お茶パウダーの餡に対する配分を多くしてほしいと依頼します
ところが メーカーさんから「うちの職人が これ以上甘さをおさえたら、和菓子本来のおいしさが味わえないとの意見でして」と、電話が入りました
しかし、私はどうしてもほろ苦い「大人葛餅」を目指したいと、気持ちを伝えます

私たちの熱意が通じ、意向を聞いてくれたメーカーさんは再び、試作に挑戦
届いた葛餅は、上品な味わいで口当たりもよく
とても満足がいく味に仕上がっていました
そしてそこには牧ノ原のスタッフが一枚一枚、手作りで折る「季節の折り紙」をおつけし、スタッフが時間をかけて選んだ「掛け紙」をかけ
一つ一つ丁寧に気持ちを込めて、お包みすることに致しました

ありがたいことに、お茶くずもちは本物志向の方々から口コミで広がり
そして今、ぐるなびさん(接待の手土産セレクション)との出会いもあり、今に至る「お茶くずもち」でございます
この自慢の「お茶くずもち」を全国の皆様にご試食いただきたいと思っております
当店自慢のお茶と、お茶くずもち。ご自分用はもちろん、大切な方へのギフトにも、どうぞご利用くださいませ
-
茶舗 牧ノ原
店長 大和田 千代子